式根島
伊豆諸島で面白そうな温泉があるのは式根島だ。満潮になると海に沈むようなワイルドな温泉はなかなかないのだが、ここ東京都(離島だが)にもある。直接の飛行機がないので躊躇していたのだが、新島から船でたったの15分、これは行かねばなるまい。しかし冬の間はキャンプ場を閉鎖しているというので素泊まりの旅館に泊まることとした。
   



以前のプレハブ建てから見違えるほどきれいになった調布飛行場から新中央航空で新島へ。手渡しのチケットと飛行機まで歩いていくところは以前と変わりなし。30分もすると新島の向こうに式根島が見えてきた。



新島空港から歩いて港へ小一時間。日の出ふ頭からの高速艇などの埠頭ではなく手前の漁港に着岸するので要注意だ。たった3人の乗船で式根島へ、一人840円では赤字でしょうが、どこの離島も住民の足となる乗り物は安い。



宿に荷物を置いたら数少ない食堂で昼飯を食べミルク煎餅を買う。自転車を借りてさっそく食料の調達と島めぐり。


この島で一番気になるのはこの崖の下の地鉈温泉だ。鉈で割ったような地形の先の海中の温泉に興味津々だ。


湧き出る湯と海水の混じり具合がちょうどよいところを見つけ無ければ気持ちよく入ることはできない。ちょうど潮が引いているところだったので一番先が良い湯加減だった。夜に星を眺めながらなんて考えていたが足下が滑り危ないので夜はやめた方がよさそうだ。



次にやってきたのは松ケ下雅湯 ここは温泉を海岸に引いているようだが更衣室もあるし施設がましだ。波の影響もうけないのでのんびりゆっくり入ることができる。



結局この日は食料の調達ができなかったので居酒屋に行くことにしたが、その前に気になる食べ物たたき丸を食べる。稲荷かたこ焼きのようだが、稲荷飯の中に明日葉やくさやを入れ魚ののすり身で包み揚げたようなものだ。離島なのでまあこの程度か。宿泊したのはてらぴ〜十治朗という素泊まり専門の釣り人のためのようなやどだった。夜は唯一やっていた居酒屋へ。



2日目も島探検、まあこれと温泉ぐらいしかやることがない、今日は遊歩道を歩く。まずやってきたのは御釜湾の展望台。


自転車を移動し次にやってきたのは隈の井 断崖絶壁が恐ろしい。手すりなど無粋なものがないのが良い。



しかし隈の井には断崖以外何にもない、遊歩道を唐人津城へ歩く。



唐人津城ロは、火山性の地形が残るところだった。と言いたいが草木の生えていない荒れ地だった。
 

神引き展望台 ここは見事だ。黒い岩とエメラルドグリーンの海は引き込まれるような美しさだった。


神引き展望台からは、島全体と向こうに新島を見渡すことができるが、式根島が起伏の少ない台地のような島だとよくわかる。

大浦海水浴場

泊海岸 罪人島流しの途中風待ちの港だったらしい
   

トンネルを抜け


松の下雅湯

足つき温泉


ここは宿の親父が土嚢を積んで勝手に作っている温泉。丁度良いところがむつかしい温泉だが野湯感は最高だ。
   





結論から言うと松の下雅湯が一番のんびりできて良い。雅湯から流れ出た湯たまりもぬるいが入れる。
結局この日も食料の調達は無理だったので昨日と同じ島で唯一やっている居酒屋で、新鮮な魚貝を見ることなく過ごした。



朝一番の便で新島へ渡り、レンタルバイクを借りて島観光、羽伏浦海岸へ

白ママ断崖

降りてみたら、地層がくっきり見える
 


ミサイルの発射場実験場
ここからミサイルの発射をしているということだ。三宅島方面の岩礁を標的にして3つあった岩礁の一つを破壊したのだが、アメリカの生物学者からの指摘で岩礁にいる生物を保護するために標的がかわったらしい。



湯の浜露天風呂
夏は混むのだろうなあと思いつつ、貸切露天風呂でした。


飛行機まで歩いて移動、機内は通路を挟んで1席づつ。
調布まで35分往復で25700円としっかした値段ですが、景色を楽しめるのが良いかも。

温泉天国の式根島、食料さえ手に入るのならそして冬でもきゃんぷ出来るなら来ても良いかな、でも自転車で充分走り回ったのでもう来ないだろうな。綺麗な島でした。