縄文杉
屋久島に来たなら必至の縄文杉。往復9〜10時間と聞いて少しは躊躇したが、やはり行かなくては成るまい。ガイドを雇うと装備やペース見所もわかるのだが1万円以上, 個人で雇うと成ると2万円ほどかかるのでやめにして、ネットで見た記憶を頼りにひたすら歩く。



 




トレッキングのスタートを7時目標にして4時半に起きて、5時半に出発。バイクを駐車して丁度7時に出発。駐車場は満車なのだが誰もいない。やはり6時ごろには歩き始めるようだ。





写真でみたトロッコ道、一人でもスタンドバイミーみたいで楽しいではないか。橋を渡ってすぐに現れた素掘りのトンネルは、まるでインディージョーンズの世界だ、わくわくしてくる。
 




トロッコ道をしばらく歩いていると、不規則な枕木に歩調を合わせるのに非常に疲れてくる、何とかして欲しい。そのうち雨もぱらつき出し合羽のズボンも装着。歩きにくい枕木に悩まされながら小杉谷集落跡まで50分。



小杉集落の手前の橋からは、線路の中に木道があり歩きやすくなる。線路際には巨木の切り株が目立ってくる。切り株と言ってもも下に人が入れるほどの大きさだ。




今回はトレッキングポールを使用してハイペースで歩いているつもりなので、2時間と書いていたはず?のトロッコ道もうまく行けば1時間半ぐらいで歩けるはずなのでそろそろ山道かもと思いつつ進む。
   







三代杉の案内に立ち止まる、同じ場所、先代・先々代の株の上に杉が育っているという。この辺りからトロッコ道は山の谷に沿って蛇行を繰り返すことになる。深い谷に入り込むたびにそろそろトロッコ道にもお別れかと思うがなかなか終点に着かない。




9時半前人の気配がしてきた、やっとトロッコの終点に到着、7時から歩き出して初めて人に会う。建物の向こうに道が続いているものと思っていたら建物はトイレだった。少し休憩して9時40分に出発、これは違うだろと思っていたはしごを登るのが縄文杉への大株歩道だった。入り口の足場の悪さに先が思いやられる。




10時10分ウィルソン株を通過、人が多いので帰りに立ち寄ることにして先に進む。巨大な切り株、巨木が多いのでスケールが判らなくなってくる。10時50分大王杉通過。

                  





ウィルソン株を越えてから益々山深い世界。巨木が立ち並ぶにも比較するものが自分しかないので大きさの感覚が麻痺してくる。階段・木道の幅が60cm程度だと思えば木々の巨大さが伝わるだろうか?

根っこをまたぐのではなく、根っこにまたがれる。根っこの下を潜ることは、あまり無いだろう。
急勾配には階段が整備されているのだが、一つ間違えれば滑落死する高さだ。昨夜キャンプ場で明日は雨だから雪も解ける方で降雪の心配は無いだろうということで、折角買ったスパイクをもってこなかったのが悔やまれる。
     

11時25分
縄文杉に到着したのだが、観察台からしか見れない。
近づけないので巨大さが伝わってこない、その上ここまでたどり着いたことに満足してしまって感激が少ないのが非常に残念だ。これを見るためにこれほど苦労して歩いてきたのか?というのが感想だ。



下りになると雪で滑りそうなので非常に恐ろしい、スパイクを履いてきる他人を見てスパイクを持って来なかったことを悔やむ。水もペットボトル1本しかもってこなかったのでこの川で汲むことに、腹を壊さなかったのでよしとする。



下りは雪の足元さえ気をつけておけば心肺は楽なので、トレッキングポールをつかい快適に歩ける。

4時半にカップめんを食べたきりで腹が減ったので、座れそうなところを探し12時11分夫婦杉の観察台でで昼食。昨日の炊き込みご飯と、手羽焼きだ。見掛けは悪いが味は保証つきだ(笑)

大王杉12時31分ということは昼食はわずか10分足らずか。何故そんなに急ぐかというと種子島でロケットの打ち上げがあるからだ。向かいの島から上がるロケットみたいでしょう。




今となっては珍しくなくなった巨大な切り株や、巨木の間を通る。やはり対象物が無いので大きさがわかりにくい。
 



往路通り過ぎたウィルソン株に到着13時16分だ。この切り株恐ろしく大きいのだが、写真では判るまい。切り株の中は、五・六人なら充分バーベキューが出来るぐらい広い。見上げ部分によってハートが見えるというのもここだ。切り株から人が出てくるのでその巨大さが判る。
 



歩いている人を見るとまるで小人の世界のような屋久杉の森
 



大株歩道の入り口に戻ってきたのは13時50分。がんばって歩けばロケットの打ち上げを見ることが出来るかもしれない。
 



急いでいるが往路と違い復路はトロッコの木道を景色を楽しみながら進む。




トロッコの方向変換するところには人口で硬い岩を掘られ。水は年月の間に岩の真ん中に道を作っている。
   




トロッコ道を行くと殆んどの大きな屋久杉の根の下は空洞になっているのに気づく、昔の人たちは空洞になっているのを知って横穴を掘り、杉の下を資材置き場にしているのには驚いた。
 

 



秀吉の時代には既に屋久杉が建築資材として切り出されていたそうだ。その時代の切り株が残っているのが凄い。




小杉谷の橋を越えるとひっそりと大山祇神が祭られていた。15時30分ここからまた歩きにくい枕木の道だ。

”もののけ”が出てきそうな森


川を見下ろすところまでくればそろそろゴールだ。
枕木を何とかして欲しい。




屋久島そのものの花崗岩の山肌を通りしばらく歩くとインディージョーンズのトンネル。帰ってきたぞ!って感じがする。
 



小さな橋を越えるとゴールが見えてきた、ほっとする一瞬だ。まあ、よく歩いた〜って思う。


到着16時30分 この時点でロケットは見れなくなった。 縄文杉までの往復9時間30分でした。







帰りに疲れを癒しに楠川温泉に入る。近くのスーパーで鹿児島の豚と首折れ鯖を買い、夕食は豚シャブと首折れ鯖の刺身。絞めは、ラーメンだ。パッションフルーツ&赤ワインはソーダで割ったほうがうまそうだ。この日はあっという間にぐっすり寝てしまった。


はっきり言って縄文杉はもう行かないだろう。近くに寄れなくて大きさがいまいち伝わらない、そのため期待ほどの感激が無いのが苦労に見合わない。屋久杉を見るのなら車でいける紀元杉や、屋久杉ランドを探索するほうが良いのではないだろうか、そのほうがよほど大きさが伝わると思う。しかし、ウィルソ株にはぜひ行ってもらいたい。株の中の空洞の大きさには驚かされる。
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